東武鉄道 1951年2月22日の大改番

車第五号
昭和二十六年二月二十二日

東京都墨田区小梅一丁目二番地
東武鉄道株式会社
取締役社長 根津嘉一郎

東京陸運局長 川原道正 殿

車両番号並に定員変更届

電車の番号が重複して居るものがあり尚一部の車両は座席様式の変更に伴い定員数を変更致しましたから関係図書添付御届け致します。尚旧竣功図の一部は保管中戦災によって逸散しましたので甚だ勝手乍ら省略させて戴き度く存じます。

工事費予算書並に材料表は工事僅少につき省略致します。

該車両は別紙新旧対照表の通りです。


添付書類目次

  • 一、理由書 一
  • 一、変更内容書 一
  • 一、新旧対照表 五
  • 一、添付図面

新旧電車竣功図表

類別車種別竣功図(No.)記事
枚数枚数
分類
第一
電動客車一~一〇
一五~一七
一三一~一〇
一五~一七
一三

第二
手小荷物室付
郵便室付 電動客車
三〇~三二
三六~三七
三〇~三二
三六~三七

第三
制御客車五〇~五四
五九~六一
五〇~五三
五九~六一
旧五四は旧五三と
兼用する

第四
手小荷物室付
郵便室付 電動客車
八〇、八二、
八三
八〇、八二、
八三

第五
付随客車九〇、九二九〇、九二
三一三〇
  • 参考一、車両表(電車)
  • 〃 二、竣功図表(一一~一三、一八~二〇、三三、三四、三五、五四、五五、五八、六二、六三、八四、九一、九三)番号変更等に関係ない車両の分

理由書

一、記号及番号
電車の記号及番号は元下野電気鉄道の買収、総武鉄道の合併等に依り重復を生じ尚戦災車の設計変更復旧に依り欠番が生じた為車両の運用上不便であるので之を統整するため記号番号を形式別に統一変更するものである。
二、定員
横座席であった一部車両を乗客の輸送力を増すため長手座席とし尚乗降に便なる様座席を減少し出入口を拡張した車両もあるので定員数を変更するものである。

以上


変更内容書

  • A、電車の記号番号を左記要領に依り変更する。
    • 一、記号「デ」を「モ」に統一する。(国鉄に準ずる)
    • 二、重復番号をなくする。
    • 三、電動車、制御車、付随車が番号で分る様にする。
      • (イ)電動車‥四桁 (ロ)制御車‥三桁 (ハ)付随車‥二桁
    • 四、馬力数及制御形式が分る様にした。
      • 1、馬力数 千位の数字を以って表わす
        • (イ)百馬力迄‥一 (ロ)百二十馬力‥二 (ハ)百三十馬力‥三 (ニ)百五十馬力‥五 (ホ)百六十馬力超‥六
      • 2、制御形式 百位の数字を以って表わす
        • (イ)HL(WH)‥一 (ロ)DK‥二及五 (ハ)CS5‥三 (ニ)PR及MO‥四 (ホ)ダブルES‥六
    • 五、全客室車、荷物室付客車、郵便室付客車の表示は十位の数字を以って表わす
      • (イ)全客室車〇~六、(ロ)荷物室付七~八、(ハ)郵便室付九、但し付随客車は全部客室ばかりだから適用しない
  • B、定員変更
    • 横座席があった一部車両を長手の座席とし尚乗降口を拡張するため座席を縮小し統一する。従って乗客定員数を変更する。
  • C、其他は変更しない。

(分類第一) 新旧対照表 電動客車

竣功図No.車種両数記事
形式称号記号番号定員形式称号記号番号定員
1二軸ボギー
三等電動車
モハ
一一〇〇
モハ
一一〇〇、一一〇一
九二人
座四四人 立四八人
デハ
デハ
一、五
九二人
座四〇人 立五二人
座席定員を
変更
2
一一一〇

一一一〇
九六人
座四八人 立四八人


九六人
座四八人 立四八人
3
一二〇〇

一二〇〇
九六人
座四八人 立四八人
モハ
一〇〇一
モハ
一〇〇四
九六人
座四八人 立四八人
元総武鉄道
4
一四〇〇

一四〇〇、一四〇一
九六人
座四四人 立五二人
デハ
一〇一
デハ
一〇二、一〇三
九六人
座四八人 立四八人
座席定員を
変更
5
一四〇二~一四〇五
一一二人
座五〇人 立六二人


一〇五~一〇八
一一二人
座五五人 立五七人
6
二二〇〇

二二〇〇~二二〇四
九六人
座四六人 立五二人


一四~一六、一九、二〇
九六人
座四八人 立四八人
7
三二〇〇

三二〇〇、三二〇一
九六人
座四二人 立五四人


一七、一八
九六人
座五四人 立四二人
8
三二一〇

三二一〇~三二四七
一一二人
座五四人 立五八人


三七、三八、四一~五〇
五二~五五、五七~五九
六一~七八、八〇
一一二人
座五五人 立五七人
三八
9
三二五〇

三二五〇~三二五四
一一六人
座五二人 立六四人


八四、八六
八一~八三
一一六人
座五六人 立六〇人
10
五四〇〇

五四〇〇、五四〇一
九六人
座四二人 立五四人


九三、九四
九六人
座五四人 立四二人
15
五四四〇

五四四〇、五四四一
五六人
座五六人 立〇人

一〇

一一〇一、一一〇二
五六人
座五六人 立〇人
16
五四四二~五四四六

五六人
座五六人 立〇人

一一

一一〇四~一一〇八
五六人
座五六人 立〇人
17
五四五〇

五四五〇~五四五六
一二〇人
座五五人 立六五人

一二

一二〇一、一二〇二
一二〇四~一二〇八
一二〇人
座五五人 立六五人
電動客車計七六

(分類第二) 新旧対照表 手小荷物室付 郵便室付 電動客車

竣功図No.車種両数記事
形式称号記号番号定員形式称号記号番号定員
30二軸ボギー
手小荷物室付
電動車
モハニ
一二七〇
モハニ
一二七〇~一二七二
八〇人
座四〇人 立四〇人
モハニ
一一〇一
モハニ
一一〇二~一一〇四
八〇人
座四〇人 立四〇人
元総武鉄道
31
一六七〇

一六七〇~一六七二
九〇人
座四二人 立四八人
デハニ
一〇一
デハニ
一〇一~一〇三
九〇人
座四二人 立四八人
元下野電気
鉄道
32
三二七〇

三二七〇、三二七一
三二七三~三二八二
八〇人
座三五人 立四五人

デハ
ニ一、二二、二四
二五、二七~三四
八〇人
座四八人 立三二人
一二座席定員を
変更
手小荷物室付
電動客車計
一八
36二軸ボギー
郵便室付
電動車
モハユ
三二九〇
モハユ
三二九〇
八六人
座四〇人 立四六人
デハユ
デハユ
八六人
座四二人 立四四人
座席定員を
変更
郵便室付
電動客車計
37二軸ボギー
電動荷物車
モニ
一一七〇
モニ
一一七〇
デニ
デニ
電動荷物車計

(分類第三) 新旧対照表 制御客車

竣功図No.車種両数記事
形式称号記号番号定員形式称号記号番号定員
50二軸ボギー
三等制御車
クハ
二一〇
クハ
二一〇、二一一
九二人
座四四人 立四八人
クハ
クハ
一、二
九二人
座四〇人 立五二人
座席定員を
変更
51
二三〇

二三〇、二三一
九六人
座四八人 立四八人


七、八
九六人
座四八人 立四八人
52
二四〇

二四〇~二四八
一一〇人
座四八人 立六二人

一〇一

一〇一~一〇九
一一〇人
座六二人 立四八人
座席定員を
変更
53
三〇〇

三〇〇、三〇一
一五九人
座五六人 立一〇三人

八六〇〇

八六〇〇、八六〇一
一五九人
座五六人 立一〇三人
54
三〇二~三一九

八六〇二~八六一九
一八
59
四〇〇

四〇〇~四〇二
五八人
座五八人 立〇人

一〇

一一〇一~一一〇三
五八人
座五八人 立〇人
60
四〇〇

四〇三~四〇五
三八人
座五八人 立〇人

一一

一一〇四、一一〇五
一一〇八
六〇人
座六〇人 立〇人
座席定員を
変更
61
四一〇

四一〇~四一四
一三八人
座三八人 立八〇人

一二

一二〇一~一二〇五
一三八人
座六二人 立七六人
制御車計四四

(分類第四) 新旧対照表 手小荷物室付 郵便室付 制御客車

竣功図No.車種両数記事
形式称号記号番号定員形式称号記号番号定員
80二軸ボギー
手小荷物室付
制御客車
クハニ
二七〇
クハニ
二七〇~二八七
九八人
座四四人 立五四人
クハニ
クハニ
七~一〇
一二~一六
一九~二七
九八人
座四八人 立五〇人
一八座席定員を
変更

二八八、二八九
九八人
座四四人 立五四人

一七、一八
九八人
座四八人 立五〇人
手小荷物室付
制御客車計
二〇
82二軸ボギー
郵便室付
制御客車
クハユ
二九〇
クハユ
二九〇~二九四
七〇人
座三〇人 立四〇人
クハユ
クハユ
一、二、四~六
七〇人
座四〇人 立三〇人
座席定員を
変更
83
二九七~二九九
八〇人
座三八人 立四二人


七~九
八〇人
座四八人 立三二人
郵便室付
制御客車計

(分類第五) 新旧対照表 付随客車

竣功図No.車種両数記事
形式称号記号番号定員形式称号記号番号定員
90二軸ボギー
三等付随車
サハ
七〇
サハ
七〇~七三
一一五人
座五〇人 立六五人
サハ
一〇一
サハ
一〇一~一〇四
一一五人
座六五人 立五〇人
座席定員を
変更
付随客車計
92コハフ
二〇〇
コハフ
二〇〇
一〇〇人
座三二人 立六八人
コハフ
五〇一
コハフ
五〇一
一〇〇人
座三二人 立六八人
付随客車計

国立公文書館所蔵「地免・東武鉄道・昭和24~26年」 請求番号: 本館-3B-013-00・平12運輸00146100 より。