系列
東急5000系グループは東急の標準車両として2002年5月に登場した車両で、田園都市線向け5000系、東横線向け5050系、目黒線向け5080系からなる。広義ではすべて5000系であるが、この形態分類では5000系グループと呼ぶことにする。各形式の幕帯の色は投入路線のラインカラーに近い色とされており、5000系は田園都市線のラインカラーのライトグリーン■、5050系は東横線のラインカラーに近く腰帯と調和する桜色■、5080系は3000系と同一の目黒線のラインカラーに近い紺色■である。
2006年度分の投入が終わった時点で、5000系(田園都市線)10両編成10本、5050系(東横線)8両編成15本、5080系(目黒線)6両編成4本の陣営となり、5000系グループ全体の両数は244両と、8000系グループ(8000系・8500系・8090系・8590系)の454両(運用離脱車を除く)に次ぐ一大勢力となった。
横浜高速鉄道Y500系は2004年2月のみなとみらい線開通にともない登場した車両で、東急5000系グループをベースとしているが「みなとヨコハマの海」と「伸びゆく都市」をイメージしたデザインで独自性を出した車両で、みなとみらい線開通時に8両編成6本が投入された。
5000系6扉車
田園都市線の朝ラッシュ時の混雑感を緩和するため、2005年度に5号車と8号車に6扉車を組み込んだ編成が試験的に2本(5104F・5107F)導入された。この導入の結果、渋谷駅の停車時間の短縮されるなど一定の効果が発揮され、翌年度以降も導入が進んでいる。なお、6扉車組み込み編成の前面には「6DOOR」ステッカーが貼り付けられ正面からでも容易に区別がつく。
6扉車が導入は、既存編成に新製した6扉車2両を組み込む替わりに4扉車2両を抜き取り、この2両を9両編成で新製(6扉車込み)した新規投入編成2本に1両づつ組み込むといった順序で行われる。
Y500系の特徴
みなとみらい駅には吹き抜けがあり車両を上から眺めることができるため屋根はネイビーブルーに塗装された。また、車端近くの側面にはみなとみらい線の頭文字である「M」をスピード感のあるデザインで表現し、色は「ヨコハマの海」を表したネイビーブルーと「のびゆく都市」を表したイエローのグラデーションとされた。
側面の車椅子スペースの表示は一目で分かるよう縦に青帯が配された。
吹き寄せ部にはみなとみらい線シンボルマークが配されている。その関係からか東急5000系グループでは吹き寄せ部に表記されている車両番号が、Y500系では車体側面下部に表記されている。
6扉車組み込みによる例外
- 5107F~5112Fのサハ5400形は2次車
- 5104Fのサハ5500形とサハ5800形(ともに6扉車)は4次車
- 5105Fのサハ5500形とサハ5800形(ともに6扉車)は6次車
- 5106Fのサハ5500形とサハ5800形(ともに6扉車)は5次車
投入史
- 2001年度(1次車): 5101Fが田園都市線に投入された。これにより2003年3月19日の東武線直通開始にともなう既存車両のATS改修に対応した。
- 2002年度(2次車): 5102F~5106Fが前年に引き続き田園都市線に投入され東武線直通開始までに6本が出揃ったほか、5181Fが2003年3月19日のダイヤ改正で増発が行われる目黒線に投入された。
- 2003年度(3次車): 5151F~5153Fが8000系置き換え用として東横線に、5182Fが3000系の検査入場に備え目黒線に投入された。
- 2004年度(4次車): 5104Fに組み込む6扉車2両とこの編成で余剰となった4扉車1両を組み込む5107F(9両新造)が田園都市線に、5154F~5158Fが東横線に投入された。
- 2006年度(5次車): 5106Fに組み込む6扉車2両とこの編成および2004年度に余剰となった4扉車計3両を組み込む5108F~5110F(9両新造)が田園都市線に、5159F~5165Fが東横線に、5183F・5184Fが2006年9月25日のダイヤ改正で急行運転および増発が行われる目黒線に投入された。
- 2007年度(6次車): 5105Fに組み込む6扉車2両とこの編成で余剰となった4扉車2両を組み込む5111F~5112F(9両新造)が田園都市線に、5166Fが東横線に投入中である。