昭和18年7月14日 総未第36号 「軌道ヲ地方鉄道ニ変更実施ノ件」 東京急行電鉄発 神奈川県土木部長宛

総未第三六号
  昭和十八年七月十四日

          東京都渋谷区大和田町壱番地
           東京急行電鉄株式会社
            取締役社長 五  島  慶  太


 神奈川県土木部長宮崎正夫殿


       軌道ヲ地方鉄道ニ変更実施ノ件

弊社品川営業局管内品川線軌道ヲ地方鉄道ニ変更ノ件曩ニ鉄道内務両大
臣宛許可申請中ノ処五月三十一日附監第九〇四号ヲ以テ許可相受六月二
十五日指令受領致候ニ付テハ六月一日ヨリ同線ヲ地方鉄道ニ変更仕リ候
間此段御通知候

 追而品川線ナル呼称ハ本件実施ト同時ニ之ヲ廃止シ、品川営業局管内
 路線全線ヲ湘南線ト呼称スルコトト致候ニ付為念申添候

神奈川県立公文書館所蔵「昭和19年 東京急行電鉄品川線を地方鉄道に変更関係」より

東京急行電鉄品川線品川―横浜間、京浜蒲田―穴守間、および京浜川崎―川崎大師間を軌道から地方鉄道に変更した件について、1943年(昭和18年)6月1日より実施した旨の届出である。

元京浜電気鉄道の路線は東京急行電鉄合併により横浜以北は品川線、以南は湘南線と称された。穴守線、大師線、および逗子線についても正式には品川線または湘南線の支線という扱いであった。

京浜急行八十年史によれば、横浜以北を以南と一括して湘南線と称したのは地方鉄道に変更した翌月の1943年(昭和18年)7月とされているが、この届出によれば地方鉄道への変更と同時に実施されている。